2万円ちょっとで買えるミニPCに無料でRed Hat Enterprise Linux (RHEL)をインストールする方法

今回は2万円ちょっとで買えるミニPC GMKtec G2Plus にエンタープライズ向けのLinuxとして有名なRed Hat Enterprise Linux (RHEL)をインストールしてみようと思います。


本記事では以下を紹介します。

  • Red Hatアカウントを作成し、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)をダウンロードする
  • RHELのインストールUSBメモリを作成する
  • RHELPCにインストールする


◆ Red Hatアカウントを作成し、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)をダウンロードする

OSをダウンロードしないと話しが始まりません。RHELは商用Linuxではあるものの、開発者プログラムとして個人利用であれば最大16ノードまで無料で利用できます。まずはRed Hatアカウントを作成し、最新のRHEL 9.5を入手します。
なお、Red Hat Developer Subscription for Individualsという無料のサブスクリプションを1年毎に更新していくようです。

手順1-1
Red Hat公式サイト ( https://www.redhat.com/ja ) へアクセス後、『ログイン』ボタンを押下し、遷移したログイン画面で『Register for a Red Hat account』を押下します。



手順1-2
必要事項を入力し、『Create my account』を押下します。「Job role」には「Student」の選択肢あるので、学生でも問題なくアカウントの作成はできそうです。
入力した内容に問題が無ければアカウントが作成され、トップページに遷移します。




※サブスクリプションの項目など、Red Hatサイト内をアクセスしていると、追加の情報やメールアドレスに承認を求められます。必要事項を入力して、情報の更新を行ってください。



手順1-3
Red Hat Developerページ ( https://developers.redhat.com/ ) へアクセス後、ページ上部『Products』から『Red Hat Enterprise Linux』を押下します。遷移したページで『Download/Sign up』を押下後、ページ内の「RHEL Server ISO」内からイメージファイルを押下し、イメージファイルをダウンロードします。

今回は一般的なWindowsが動作するマシン(x86 CPU)USBメモリを用いて最新のRHELをインストールするので、「Red Hat Enterprise Linux 9.5 for x86_64」の『Download ISO』から最新のRHELをダウンロードしています。







◆ RHELのインストールUSBメモリを作成する

続いてRHELをミニPCにインストールするために、ダウンロードしたイメージファイルからインストールUSBメモリを作成します。今回は簡単にインストールUSBメモリを作成できるbalenaEtcherを使います。

手順2-1
balenaEtcher 公式サイト ( https://etcher.balena.io/ ) へアクセス後、ページ中部の「Etcher for Windows (x86|x64) (Installer)」の項目内の『Download』を押下し、exeファイルをダウンロードします。






手順2-2
ダウンロードしたexeファイルを起動するとbalenaEtcherが起動します。『Flash from file』を押下し、手順1-3でダウンロードしたRHELのイメージファイルを指定します。

 




手順2-3
Select target』を押下し、イメージファイルの格納先となるUSBメモリを指定します。



手順2-4
Flash!』を押下すると、処理が始まります。「Flash Completed!」と表示されれば完了です。USBメモリは抜いてしまって構いません。







◆ RHELPCにインストールする

PCRHELをインストールしていきます。今回は2.5GbpsNIC2つ搭載されたIntel N150搭載のミニPC GMKtec G2Plusにインストールしていきます。Amazonでは通常時でもセール期でも22,000円程度で買えるため、ちょっとした検証には持ってこいです。

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手順3-1
手順2-4までに作成したインストールUSBメモリをPCに接続し、起動します。必要に応じてBIOSの起動設定からインストールUSBメモリが起動順として最上位に来るように設定してください。インストールUSBメモリからの起動に成功すると下記のような画面が出てきます。キーボード操作で『Install Red Hat Enterprise Linux 9.5』を選択し、Enterを打ち込みます。
インストールが進むと、インストール時の言語選択画面が出てきますので、任意の言語を選択し、『続行』を押下します。
 




手順3-2
インストール概要画面が出てきます。全ての項目が完了されていないとインストールを進められないため、未完了の部分を完了させる必要があります。


手順3-3
インストール先の設定を行います。『インストール先』を押下し、遷移先の画面でRHELのインストール先ディスクを選択します。インストールしたいディスクのチェックマークが入っていれば大丈夫です。

『完了』を押下すれば基本的には完了ですが、私の環境では既に指定したディスクにUbuntuがインストールされており、空き容量が足りませんでしたのでインストールオプションの画面が表示されました。

既存のデータを削除してインストールするために、『領域の再利用』を押下し、「ディスク領域の再利用」の画面から『すべて削除』、『領域の再利用』を順に押下します。

すると、インストール概要画面に戻り、設定が完了します。







手順3-4

Red Hatアカウントの接続設定をします。Red Hatに接続するためにはインターネット接続が必要になりますので、LANケーブル接続し、ネットワークに接続された状態で、『Red Hatに接続』を押下します。
1-2で作成したアカウントを遷移先の画面で入力し、『登録』を押下します。
認証が成功すると、登録状態となるので『完了』を押下します。
すると、インストール概要画面に戻り、設定が完了します。





 

手順3-5
インストールするソフトウェア設定をするため、『ソフトウェアの選択』を押下します。今回はGUIでもRHELサーバを管理したいため、ベース環境は『Server with GUI』を選択しますが、他のサーバ機能については後からでもインストールできるため、「選択した環境用のその他のソフトウェア」の項目は今回選択せずにインストールします。
『完了』を押下すると、インストール概要画面に戻り、設定が完了します。






手順3-6
rootアカウントのパスワード設定をするため、『rootパスワード』を押下し、遷移先の画面で任意のパスワードを入力します。今回はあくまで個人利用のため、後々SSHした際にrootアカウントでも入れるように、『パスワードによるroot SSHログインを許可』にもチェックを入れます。
『完了』を押下すると、インストール概要画面に戻り、設定が完了します。

※『rootパスワード』の設定で『rootアカウントをロック』にチェックを入れていないので、『ユーザーの作成』部分も完了されています

 





手順3-7
全ての項目が完了したので、『インストールの開始』を押下し、インストールを進めます。インストールが完了したら『システムの再起動』を押下します。

RHELのインストールに利用したインストールUSBメモリは抜いてから起動してください




手順3-8
再起動するとセットアップ画面が出てきます。『セットアップ開始』を押下し、セットアップに必要な情報を順に入力していきます。GMKtec G2Plusは無線も搭載されているので、Wi-Fi接続も可能なようです。

全てのセットアップが完了し、『Red Hat Enterprise Linuxを始める』を押下します。GNOMEデスクトップが表示され、操作ができるようになりますので、これにてインストールが無事に完了となります。











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